ヒラリラー 2017年北海道旅行記

6日目(8月10日)

無許可で立ち入れる知床の最奥へ

昨日とは打って変わって、起床は6時の出発は6時20分と早い。ただ夏であっために6時でも既に空は明るかった。チェックアウトはなく連泊なので荷物はそのままで昨日買い込んだ朝食を食べ、ホテルを出て桂台駅へと向かった。桂台駅は昨夜見た際には暗くて分からなかったと、宿へ急いでたのでじっくり見ていなかったが、今日は列車が来る10分前に着いたのでそれなりに見ることが出来た。と言っても初日の長苗代同様そんな見るような豪華なものでなく、長苗代駅に雨風をしのげる待合室が着いた程度だ。ただしっかりとヒーターが完備されているのが北海道らしく感じた。釧路方面への普通列車は1日7本あり、石北本線や宗谷本線と比べてしまうと多く感じてしまうが、こちらの方は特急は一切走っておらずに普通列車のみであると考えると、追加料金を払ってもワープは出来ないという厳しい区間でもある。

6:44発の釧路行きに乗り込んだが、意外と車内は混み合っていた。早朝なのにどうして・・・と思ったが、知床に向かうならこの列車がベストですし、お仲間な気がした。目的地の知床斜里までは40分程度な上、空も明るく車窓も楽しめるので最後尾でずっとかぶり付きしてました。北浜駅の辺りはオホーツク海が間近に迫っていて絶景だった。どの駅も桂台みたいな一面一線の棒線駅ばかりと思っていると、たまに浜小清水駅みたいな立派な駅舎が出てくるから面白い。

海が見える北浜駅 海が見える北浜駅

7:22に知床斜里に着いて、ここからは北東パスが使えないバス旅になる。知床斜里での所要時間は48分あるので、この時間どうしようかな・・・と列車の中で思っていたが、そんな余裕など吹き飛ぶ事態が起こってしまった。遊覧船の運行状況は当日朝8時に発表されるのだが、7時半頃にHPを見てみるとなんと欠航の文字が・・・何かの間違いかと一途の望みを掛けて電話してみると、見事に欠航でした。そんなわけで知床での計画が早々に狂ってしまったわけだが、色々斜里バスの受付の人と話していると、斜里バスウトロ温泉バスターミナル以外では途中下車が可能なことが判明、せっかくだからと言うことで本来の予定にはないカムイワッカ湯の滝に行ってみることにした。そんなわけでウトロ温泉をスルーしていきなりカムイワッカの湯の滝まで向かい、そこからは各停留所ごとに途中下車しながら帰っていく旅をすることに決まった。

知床斜里からカムイワッカ湯の滝まで向かうバス 知床斜里からカムイワッカ湯の滝まで向かうバス

8時10分のバスに乗り込み、本来はウトロ温泉バスターミナルで降りるところを、終点のカムイワッカ湯の滝にまで乗車。終点までは距離があり、カムイワッカ湯の滝についたのは10:03となってしまった。道中知床の綺麗な景色が見えたが眠気が限界に近づいていたのでほとんど寝てしまった・・・前回の北海道旅行と同じ轍を踏んでる気がするなぁ・・・バス停を降りると一匹の痩せこけたキツネがいて、同行客は写真撮ったり餌付けしていたが、エキノコックスが怖いので遠くから写真を取る程度にとどめておいた。さて、このカムイワッカ湯の滝は、届け出なしで行ける知床半島の最東端である。そんなわけでカムイワッカ湯の滝に行く前に立ち入れる限界まで行ってみることにした。ここから先に行くためには硫黄山や知床連山の登山を目的にしていなければいけず、申請書を提出しなければいけないようだった。物理的に道路が封鎖されているので、もちろん申請しても行けるのは徒歩のみである。道はまだまだ続いているのにこれ以上先に行けないというのはちょっともどかしい気持ちがするが、仕方がないのでカムイワッカ湯の滝に向かった。

カムイワッカ湯の滝バス停にいたキタキツネ カムイワッカ湯の滝バス停にいたキタキツネ

カムイワッカ湯の滝は、ここはここで入り口に注意事項がこれでもか!と書かれていて自己責任の世界なんだと否応がなしに理解することが出来た。入り口を入ってすぐに未舗装の40度くらいの角度の坂が迫っているし、その先にはもう川がある。ここから先は川の中、しかも強酸性の水なのでヌルヌル滑るし、更に急斜面が待ち受けているのでとても荷物なんて持っていけるわけがない!かといって荷物置いて行くと今度は盗難のリスクが…と悩んだが、結局は貴重品だけもっていくことにした。まあ、皆が荷物おいてるところに監視のおじさんはいるんだけどね。

初めは遊覧船が潰れて仕方なしに来たカムイワッカ湯の滝であるが、これが思ったよりいい所だった。今までは列車に乗ったり、ひたすらに歩くだけだったわけだけど、ここは自分の力で滝や崖を登っていくわけで、スリルや興奮が味わえる場所だった。カムイワッカ湯の滝は入り口から一の滝、二の滝…と続いていき、上流に行けば行くほど水温が上がっていき、四の滝の近くには入浴できるくらいの温度になって、野湯が楽しめるらしいのだが、残念ながら落石のせいで一の滝から先は通行止めになっていて進むことができなかった。けど時間も時間だったので、一の滝くらいまでの方が時間的にちょうどよかったのと、通行止めという制約があるからもっと先に進みたいのに…という衝動を抑えられたので良かったかもしれない。けどやっぱ本音を言うならもっと上流まで行ってみたかったねぇ~規制が解除されたらまた行ってみたい。

カムイワッカ湯の滝 カムイワッカ湯の滝、この滝を素足で登るのはスリルがあった。

知床五湖

カムイワッカ湯の滝の次は、本来の予定通りに戻って知床五湖に行った。知床五湖の散策は無料で高架木道を往復コースと、原生林に入って知床五湖を見て回る有料コースの2つに分かれていて、時間もあったしせっかくここまで着たということで、全部の湖を回る全長3kmの大ループコースを選んだ。その前にヒグマにあった時や散策する時の注意事項などをレクチャーしてもらうことに、その中でこの時期になっても毎日のようにヒグマが出没しているという恐ろしいことを聞かされたものだから、もし出会ったらどうしようかと思っていたのだが、結論としては出会わなくてホッとした。

知床五湖のコース 知床五湖のコース

初めは楽しかった原生林の散策だが、さすがに90分も歩くとなると途中で飽きてきてしまい、湖なんて全部同じだし、原生林と言っても素人目には普通の森だし、弘前城の植物園で同じような所永遠と歩いたこともあって途中から面倒になってしまった。それでも一度足を踏み入れてしまったからには戻ることもできずに、ひたすら五湖から反時計回りにぐるっと回って一湖までたどり着いた。

こんなところを永遠と歩く こんなところを永遠と歩く

二湖の途中からは小ループ組との合流地点になっていて、そこを過ぎるとすぐ高架木道への階段があり、高架木道へと入った。ここから高架木道をしばらく歩いてみて思ったのが、明らかに高架木道の方が、原生林が広がってるだけの散策道と違って見晴らしはいいし足場が整備されているし、こっちの方を有料にするべきなんじゃないか…?

高架木道との合流点 高架木道との合流点

高架木道 高架木道

高架木道は写真にも映らないような細かい羽虫が大量に飛び交っていたのが気になったが、他は天気もよく開けていたので大体20分くらい歩いたが、あっという間にフィールドハウス入り口まで戻ってきてしまった。

鹿カレーを食べて温泉

フィールドハウスに戻った後は、まだ時間があったので知床自然センターに立ち寄ってお昼にした。ここで食べたのは鹿カレーで、どんな味がするのかビクビクしていたがいざ食べてみると普通の牛肉のような味で拍子抜けしてしまった。それなりに美味しかったのでお土産の鹿カレーも買ってしまった。

鹿カレー 鹿カレー

腹ごしらえも済んだので、次はいよいよ終点のウトロ温泉バスターミナルである、なんだか結局カムイワッカ湯の滝からの復路は全停留所で下車したし、途中下車規則をフル活用してしまった。着いたのは15:45で、次の斜里バスターミナル行きのバスは17時ちょうど、つまり1時間ちょっと時間があるのである。

ここで事前に時間があったら行こうと決めていたウトロ周辺の温泉に行ってみることにした。直線距離がGoogleMap上で見ると近かったので油断していたのだが、実は結構高低差が激しく急階段を登ったりしたので疲れてしまった。そんなわけで着いたのがこの夕陽台の湯である。

夕陽台の湯 夕陽台の湯

ウトロの温泉と聞いていたのでカムイワッカ湯の滝ほどじゃないが、もうちょっと秘湯的なのを連想していたので、小綺麗なペンションみたいな見た目にちょっと拍子抜けしてしまった。肝心の湯船についても良くも悪くも普通の銭湯といったところで内風呂と露天が1つずつあるが両方共狭めで、露天も景色があんまり良いとは言えず微妙な感じの温泉だった。

どちらかと言うと知床散策して疲れた体を洗い流すための湯で、ゆったりくつろぐようなところでは無かった。ただ休憩所が畳敷きでリラックスしようと思えばできそうだったが、残念ながら時間がなかったので足早に去らざるを得なかった。

温泉から出たのが16:40で、バスまで残り20分とギリギリになってしまい急いでバスターミナルまで戻った。これ帰りが下り坂で本当に良かったよ・・・けれどバスは結局10分くらい延着で出発。まあ間に合って良かったよ。

斜里までは大体50分くらいで、ほぼ定刻通りに到着。それから列車が来るまでは1時間くらいあったのだが、予定ではここで買い出ししようだの夕食食べようだの考えていたが、現実は駅前に食堂はおろか売店すら無い状況でひたすら列車が来るのを待つだけであった。

斜里18:55の列車に乗ってホテルの最寄り駅である桂台に…と思いきや網走まで向かった。せっかくの網走最終日だし遊覧船代が浮いたし、何か美味しいモノでも食べようと網走駅前を探索していたのだが、色々と調べたら微妙なのばかりの上、高い店に入るのが日和ってしまったので結局ピザハット+KFCの融合店でピザとチキンで夕食ということになってしまったw

後は朝食用に色々とコンビニで買い込んでホテルに戻り、溜まっていた洗濯物を一気に洗ったりもう一度お風呂に入ったりしたらあっという間に12時を回っていたので寝ることにした。