ヒラリラー山陰本線旅行記

3日目(8/24)

ひたすら西へ

帰りは行きと同じ経路な上に、目的地までの距離感も掴めていたので行きほどの距離感は感じない…というのは旧大社駅の時と同じでした。途中の橋には異常なくらい蜘蛛の巣が張り巡らされていましたねえ。保守用のはしごの所とか蜘蛛の巣が凄まじく、何か保守の時とか使うの大変だろうなあ…と思ってしまいました。40分ほど歩き5:50くらいに益田駅に到着し、まつかし二人と合流しました。5:57発の長門市行きに乗車し、流石に1時間位しか寝ていないので車内では爆睡してしまいまいました。朝早かったのと天気が晴れていたおかげで日本海が綺麗でしたね。2時間くらい乗車し、7:50くらいに長門市に到着しました。

ロングシート(1日8往復1両編成) ロングシート(1日8往復1両編成)

長門市からはキハ40ラッシュでしたが、トイレは臭いとおもいきや割りと芳香剤が効いていてそこまで臭くはなかったですね。小串で再び乗り換え…またしてもキハ40ですが…そのまま一気に下関に移動しました。下関からは関門トンネルを通りいよいよ九州上陸…それまでの気動車から415系電車に代わりいざ門司へ!今までずっと気動車だったので電車になった途端急に静かになって違和感を感じてしまうのも北海道以来ですねえ…本州は直流電化なのに対し九州は交流電化なので、運用される電車も交直流電車ですし、門司駅到着直前にはデッドセクションを通過するために一瞬車内の電気が消えましたね。門司に到着し、続いて門司港行きの電車に乗り換え、数分乗車して門司港駅に到着しました。

昼間だから電気が消えているわけではない 昼間だから電気が消えているわけではない

九州鉄道記念館

門司港に到着、ここで東京から使ってきた乗車券ともお別れで回収されるかと思って写真を撮っておいたのですが、乗車記念のスタンプを押してもらって持って帰ることが出来ました。門司港に着いてからは九州鉄道記念館を見学…したのですが、荷物を何処に預けるかとかクローバー切符先に買うかとか、潮風号は指定席かもしれないから先に取っておいたほうが良いんじゃないかと色々とグダグダやってしまいました。(鳥取駅でも同じようなことやってたけど)

700円の大型コインロッカーに3人分の荷物を詰め込めたので、その後帰りの切符を見せると九州鉄博の割引が効くので西小倉までの切符を買って、いよいよ見学開始です。大宮・京都に続く3つ目の鉄道博物館巡りですが、流石に二大鉄博と比べてしまうと見劣りはしてしまいますね。展示されていたC59や中に入れた月光型とかはなかなか良かったですね。こんな感じで寝台にチェンジするのか…と感心しました。14系客車のB寝台も、B寝台を近くで見るのははまなす乗った時以来ですし、あの時は窓ガラスごしにしか見られなかったので…

噂のB寝台 噂のB寝台

続いては建物内に入りまして、明治時代の客車を見学。畳敷きでちょっとしたジョイフルトレインみたいな感じがしました。やはりというか当然というか展示内容は割りと九州に特化していまして、他の鉄博と比較してみると地域ごとの特色が出ていて面白かったですね。特に九州新幹線の「つばめ」を意識してなのか歴代燕の紹介がされていたのが印象的でした。途中の展示室では未だにXPが使われていたり、面白そうな資料があったのに土日以外は鍵がかかっていて見れなかったのが残念だったりしました。大宮の時もそうですけど、どうも資料室が閉鎖的すぎるんじゃないですかねえ…両方共土日しか開館してないし…屋外にはED76や481系の運転台に登ることが出来るところがありましたが、481系は高運転台とあって階段が急だった…

明治時代の客車 明治時代の客車

関門海峡巡り

鉄博巡りの旅も終わりまして、次の目的地に行く前に時間もあるので腹ごしらえをしました。その前に福知山から付き添ってきた相棒(2Lお茶)が遂に枯渇しまして新しい相棒(1.5Lオレンジジュース)を迎えました。…が、オレンジジュースでは喉の渇きは取れず、単なる重りとなってしまいました。それは置いておいて昼食、出雲でご当地名物出雲そばを食べられなかった逆襲を果たすべく、ここでは門司名物の焼きカレーを食べました。おしゃれな喫茶店だからか少し待たされましたが、なかなかうまいですね。ただこれカレードリアなのでは…とは言ってはいけない。

門司名物焼きカレー 門司名物焼きカレー

そして13:20発の潮風号に乗って、門司港から関門トンネル人道入り口付近である関門海峡めかり駅に向かって出発!トロッコ列車のオープンカーなのが気持ちよかったですね。途中のトンネルでは天井ライトアップもありましたし、短いながらも楽しむことが出来ました。終点からは関門海峡と関門橋、そして対岸の本州を見渡すことが出来て、本当に泳いでそのまま本州まで行けるような距離にありました。そしてコンクリートの岸壁にはフナムシがビッチリ!フナムシって今まで見たことがなかったですが、近づくだけで集団でサーッっと逃げていくのは気持ちのいいものがありましたね。

潮風号 潮風号

そのまま沿岸沿いに600mくらい歩いて、いよいよ関門トンネル人道入口に到着。そのままエレベーターで地下に潜り、歩いて関門海峡横断を果たしました。しかしこの地下でのウォーキング、若干地下で涼しい物の湿気と脱水、そして暑さと疲労が溜まっていたせいでずっとフラフラ状態でぶっ倒れそうになりながらも700mを走破しました。途中の福岡県と山口県の県境超えは境界を跨いだりと少し遊ぶ余裕もありましたが、山口県側に着く頃には息も絶え絶え…なんだかこの旅では京都といい、鳥取砂丘といい体力の限界に挑戦し過ぎな気がしてきた。

関門トンネル人道 関門トンネル人道

本州からも関門海峡と九州を眺めつつ、サンデンバスで唐戸港へ移動。しかしこのバス揺れる揺れる!凄まじいトロッピーな運転で、本当に手すりに捕まるどころかしがみついていないと吹っ飛ばされるような勢いで運転していました。なんとかフェリー乗り場に到着し、巌流島行きのフェリーがあると知り、地図の資料館やめて巌流島行こうぜ!と無茶な提案もしてみたのですが、あっさりと却下されてしまいました。まあ仕方ない。それに巌流島行ったらパス買った意味が無くなっちゃいますしねえ。フェリーターミナルには巌流島発の最終便に乗れない場合には次の日まで巌流島を出られなくなります!って注意喚起がされていたのですが、取り残された場合はどうなるんだろう…と思ってしまいました。野宿かな?

巌流島まで\800

14:39発のフェリーに乗船しまして、たった5分間だけの船旅。船も5分間の航路にふさわしい程度のサイズで、1階は屋根付きで空調も効いていて立派なシートも着いている。2階はオープンデッキでベンチがあるだけ、当然2階部分に乗りまして関門海峡の潮風を満喫しました。結構速度出てたので途中振り落とされそうになりましたが、とても楽しい5分間でした。この気持ちよさは小型船だからこそ味わえるのですね。関門海峡は思った以上に大型船が行き来していまして、途中で大型コンテナ船ともすれ違い、迫力が凄かったですね。

船より望む関門橋 船より望む関門橋

そして門司港を出発点として、ぐるっと一周回ってまた戻ってきたのですが、この後関門海峡ミュージアムに行くか、そのままゼンリン地図の資料館に行くか話したんですが結局このままゼンリン地図の資料館に向かうことになりました。そんなわけでロッカーに入れていたキャリーバッグを出して、門司港から西小倉まで電車移動です。途中無茶苦茶疲れていたので爆睡してしまい、西小倉で寝過ごしかけて怒られてしまいました。反省…

伊能忠敬は有能忠敬

西小倉でなんとか下車して、次に向かうはこの旅最後の観光地であるゼンリン地図の資料館。ビルの一フロアにあるというのは知っていましたが、入口がこんなに面倒なところにあるとは思いませんでした。ゼンリン地図の資料館が入っている朝日新聞ビルはショッピングモールに併設されているのですが、入口が別々でショッピングモール側からでは到達出来ないので、ショッピングモールでいくら探しても分からず、受付のお姉さんに聞いてようやく行くことが出来ました。(実は5階に連絡通路があったらしいですが)入口は完全にオフィスビルで、関係者以外立入禁止の看板もあるしこれ本当に入って大丈夫なのかと不安になりましたが、問題なく入ることが出来ました。

最終観光地ゼンリン地図の資料館 最終観光地ゼンリン地図の資料館

ゼンリン地図の資料館はビル9階だけの割りとこじんまりとした資料館で、入場料も100円と安い。喉がカラカラだったので入口にあったウォーターサーバで一息ついてから中を見学。伊能忠敬って凄かったんだな…というのが改めて実感させられました。他にも各時代ごとによって変移していく地図やら、戦前の路線図などなど興味深い資料がたくさんあり、全国を網羅したゼンリン製の住宅地図もありまして、自分の家もちゃんと乗っていましたね。けど全国を網羅しているようで小笠原の住宅地図が存在しませんでした。まつたんとも話しましたがどうして初めに南鳥島とか小笠原とか与那国島とか辺地が気になっちゃうんでしょうかね…ちなみに与那国島の住宅地図はありました。住宅地図の裏表紙に値段が書いてありましたがなんと1冊16000円!そんなのが数百冊も置いてあるのに入場料100円で読み放題と思うとなんだかお得な感じがしますね。

お土産タイム!

高層階から見る北九州の町並みは綺麗で、すぐ下には小倉駅が見えてこんなに近いなら西小倉に戻るよりは小倉駅まで歩こう!ということになりましたが、そこは高層ビルマジックで高層階から見た時は近そう&分かりやすそうに見えても実際に地上を歩くと遠いし何処が小倉駅だから分かりにくい。けれどこの資料館は西小倉と小倉の中間点にありまして、二駅間もそんなに離れていなったので、20分くらい歩けば小倉駅に到着できました。そこで見たのはかしたんが乗りたいと言っていた北九州モノレールで、残念ながら乗るほど時間はありませんでしたが、お土産を買う時間くらいはあったので、急いでお土産購入。ここでお土産買ったのはここが実質ラストチャンスなのと、この旅行記を読んだならばお分かりかもしれないですが結構歩く旅だったので道中で買うと荷物になるのが嫌だったからなんですよね。門司駅には微妙なゆるキャラのじーもくんの像が飾られてましたけど、どっかで見たことあるな…と思いましたが、今考えてみるとコンタックくんに似てますね。

似てないですか…?似てないか 似てないですか…?似てないか

クレイジータクシー

無事にお土産購入も終わり、いよいよ帰路のフェリーに乗船。その前にフェリーが発着する新門司港は門司駅から離れているために、送迎タクシーを利用します。その送迎タクシーですが、運転手は乗客らしきおばちゃんと話し込んでるし、乗客は自分達以外に2人しかいないと本当に出発するのか…と不安でした。いざ出発する時も普通のタクシーでこれ1人乗れないんじゃないか?と凄い不安になりましたが、おばちゃんはどうやら乗客じゃなかったみたいでその場でどっか行ってしまいました。そんなわけで運転手と自分達3人、そして青年1人と計5人で新門司港へ向かいます。そしてこのタクシー飛ばす飛ばす!凄い飛ばします!峠も攻めちゃいます!見通しの悪い急カーブの山道で60km/hも飛ばさないでください!けど疲れてたので爆睡してしまいました。着いた後にまつたんと話したら「よくあの状況で寝られたね…」とのこと、確かに自分でもそう思う…

いざ、フェリー乗船

新門司港に到着し、乗船手続きです。結構ここが心配の種でして、学生証を紛失していたので正規運賃になってしまうのではないか…と思っていたのですが、学割証を事前に発行していたのでそれがあれば学生証が無くても学割運賃で乗船できるとのこと。学割ありとなしでは3000円くらい違いますから、それ聞いた時は肩の力が本当に抜けました。良かった良かった…

心配事が無くなった所で運賃を支払い、フェリーターミナルで乗船開始まで待機です。待機所はミニ空港ロビーのようですが、乗船客は自分達を除けば一緒にタクシーに乗ってきた青年1人だけでした。この寂れ具合がたまらかなかったですね。後でフェリー乗船した所乗客がちらほらいたので一体何処から湧いてきたのか…と思いましたが殆どがドライバーなんですよね。そりゃそうか、徒歩なら新幹線使えば同じ値段なのに、たった5時間で東京戻れちゃいますからね。

所要時間34時間 所要時間34時間

いよいよフェリーびざん乗船です。この旅二大目標の一つがこのフェリー乗船ですから、わくわくが止まりませんでしたね。しかしこのフェリー、キャリーバッグを預けられるところが無いとのこと、荷物をどうするか話しましたが最終的には盗まれるとマズい貴重品だけ持参して、監視カメラもあることだし後は自分のベットの前に置けば良いということで落ち着きました。100円の戻ってくる方式の貴重品ロッカーもありましたから、それも活用すればいいですしね。有料の大型ロッカーもありましたが、流石にキャリーバッグが入るほど大きいのはありませんでした。

いざ乗船 いざ乗船

船内探索

荷物問題も解決した所で船内探索へ向かいます。まずは出港すると閉鎖されてしまう車両甲板を見ました。入口からさっと見ただけなのですが、通路の奥まで何十台も車やトラックが停まってまして、やはり車用のフェリーなんだなあと言うことを実感しましたね。その後客船内のエントランスホールや自販機コーナーなどを軽く見た後に展望デッキに出ました。展望デッキは見通しは良かったのですが、内側に位置していたので海を間近で見られるスポットが少なかったのと、やっぱり客室内の冷房が効いた空間にいると、外に出るのがしんどくなってしまったので早めに退散して、一度出港してから出直すことにしました。

やっぱ車がメインだねって やっぱ車がメインだねって

19:40頃、少し遅れて船は出港しました。さよなら九州…ということですが、今回の旅行ではちょぴっと門司と小倉を観光しただけなので、今度改めて九州一周旅行とかやってみたいですね。その後は全員で船内の風呂に入り、この時点でフェリーに乗り、分刻みのスケジュールともおさらばなのでダラダラモードに移行しまして、後は勝手気ままに過ごしました。夕食は自販機で買った300円のかき揚げそば、生麺だったので少し高いですけどその分美味しかったです。ちなみにここでも残ったカラムーチョを使ってポテトそばを作り、ここに来てようやくカラムーチョを食べ終わりました。その後はダラダラと船内のテレビを見ながらこの旅行記の1日目を書いたりしていました。

出雲そばの代わりに 出雲そばの代わりに

0時をまわり、かしたんは寝てしまいましたが自分はというとテンションが上ってしまってそれどころではない、とのことで昼間では人がいてやりにくいトイレや風呂の写真を人がいないことを確認しつつバシバシ撮りまくったりしました。半年前に出来た新造船ということで、トイレもお風呂もピカピカで、ウォシュレットまで完備されていました。ただ、後日気がついたんですけどフォワードロビーってあったんですね、この先は客室しかないと思って行かなかったところがあるんですが、どうやらその先にあったみたいでした。その後1時過ぎになってようやく就寝しました。

ナイスなお風呂 ナイスなお風呂